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2026/03/21

裏ハムラ法は後遺症が残りやすい?失敗しないための基礎知識とリスク対策

第1章 裏ハムラ法とは

目の下のふくらみや黒クマに悩む方にとって、根本的な解決策として注目されているのが「裏ハムラ法」です。しかし、その高い効果の裏で、手術の難易度や後遺症について不安を抱える方も少なくありません。まずは、この術式がどのような仕組みで行われ、どのようなメリットとデメリットがあるのかを正しく理解していきましょう。

1-1. 裏ハムラ法(経結膜眼窩脂肪移動術)の仕組み

裏ハムラ法の正式名称は「経結膜眼窩脂肪移動術(けいけつまくがんかしかぼういどうじゅつ)」と呼びます。その名の通り、皮膚の表面にはメスを入れず、まぶたの裏側にある「結膜(あっかんべーをした時に見える赤い部分)」を数ミリ切開してアプローチする手術です。

目の下のクマやふくらみの主な原因は、加齢などで支えきれなくなった「眼窩脂肪(がんかしぼう)」が前方に押し出されることにあります。裏ハムラ法では、この飛び出た脂肪を単に切り取って捨てるのではなく、目の下にある骨のくぼみ(凹み)に向かって下方に移動(再配置)させ、骨膜に糸で縫い付けて固定します。

日々の診療において患者さんへご説明する際、私はよく「裏ハムラ法は単なる脱脂(脂肪除去)よりも格段に難易度が高い」とお伝えしています。まぶたの裏側という非常に狭く暗い空間で、脂肪を適切な量だけ移動させ、ズレないように骨膜へ固定する技術は、目元の複雑な解剖学的構造への深い理解が不可欠です。構造を熟知していない医師が行うと、不自然な仕上がりや後遺症のリスクが高まる傾向にあるため、医師選びが非常に重要な術式と言えます。

1-2. 裏ハムラ法のメリット

1-2. 裏ハムラ法のメリット

裏ハムラ法が多くの患者さんに選ばれる理由は、主に以下の3点が挙げられます。

皮膚表面に傷跡が残らない
まぶたの裏側からアプローチするため、顔の表面にメスの傷跡が一切残りません。周囲に手術をしたことがバレにくく、術後のメイクも比較的早い段階から可能です。

目の下のくぼみを防ぎ、滑らかな仕上がりになる
脂肪を取り除く「脱脂」のみを行った場合、ふくらみは消えても逆に目の下がくぼんでしまい、老けた印象になるケースがあります。裏ハムラ法は自身の脂肪を凹み部分のボリュームアップに再利用するため、ふくらみとくぼみを同時に解消し、美しくフラットな目元を作り出すことが可能です。

ヒアルロン酸や脂肪注入などの追加治療が不要なケースが多い
ご自身の元々ある脂肪を移動させるため、他の部位から脂肪を採取して注入したり、定期的にヒアルロン酸を打ったりする必要がなく、定着すれば長期的な効果が期待できます。

実際のカウンセリングでも、「将来的に目の下がくぼんでしまうのが怖い」というご相談をよくお受けします。そのような患者さんにとって、自身の組織を無駄なく活かして凹凸を整える裏ハムラ法は、非常に理にかなった選択肢となります。

1-3. 裏ハムラ法デメリット

1-3. 裏ハムラ法デメリット

Japanese woman in white coat

一方で、裏ハムラ法には事前に知っておくべきデメリットも存在します。

医師の高い技術力と経験が必要
先述の通り、裏ハムラ法は術野(手術で見える範囲)が非常に狭いため、高度な技術を要します。経験の浅い医師が担当すると、脂肪の移動量が不適切であったり、固定が甘くて後戻りしてしまったりするリスクがあります。

ダウンタイムが比較的長い
単なる脱脂手術と比べると、靭帯などの内部の組織を剥離する範囲が広くなるため、術後の腫れや内出血が強く出やすい傾向にあります。個人差はありますが、大きな腫れが引くまでに1〜2週間程度かかるケースが多いです。

重度の皮膚のたるみには対応しきれない
裏ハムラ法は皮膚を切除しないため、加齢によって皮膚そのものが余ってシワシワになっている場合、脂肪を移動させても余った皮膚のたるみが残ってしまうことがあります。

診察の際、皮膚の余りが強く見受けられる方には、あえて裏ハムラ法ではなく、まつ毛の下の皮膚を切開して余分な皮膚を切り取る「表ハムラ法」をご提案することもあります。ご自身の目元の状態に合った術式を見極めることが、失敗を防ぐうえで非常に重要です。

第2章 裏ハムラ法はなぜ後遺症が心配されるのか

インターネットやSNSで裏ハムラ法について調べると、「後遺症」や「失敗」といった言葉を目にして不安になる方も多いでしょう。なぜ、裏ハムラ法は他の術式に比べて後遺症が心配されやすいのでしょうか。

それは、裏ハムラ法特有の狭い視界での複雑な操作(脂肪の骨膜固定)に理由があります。

他の代表的なクマ取り手術と比較してみましょう。

術式 アプローチ 手術の操作内容 後遺症リスクの要因
経結膜脱脂(脱脂) まぶたの裏(結膜) 飛び出た脂肪を取り除くだけ 操作がシンプル。取りすぎによるくぼみが主なリスク。
表ハムラ法 皮膚側(まつ毛の下) 皮膚を切開し、直視下で脂肪を移動・固定 視界が広いため内部の確実な操作が可能。傷跡や外反(あっかんべー)のリスク。
裏ハムラ法 まぶたの裏(結膜) 狭い穴から脂肪を引き出し、骨膜に縫い付ける 視界が極めて狭い(盲目的な操作になりやすい)中で、神経損傷のリスクや筋肉を傷つけるリスクがある。

裏ハムラ法は、まぶたの裏の小さな切開口から器具を入れ、目の下の靭帯を切り離し、引っ張り出した脂肪を頬の骨(骨膜)に糸でしっかりと縫い付けます。

目元の奥には、顔の感覚を司る眼窩下神経や、目を動かす下斜筋など、重要な組織が密集しています。十分な視界が確保できない中で無理な操作を行ったり、解剖学的構造の把握が甘いまま糸をかけたりすると、これらの神経や筋肉を傷つけたり、不自然に引っ張ったりしてしまう可能性があります。

これが、術後の強い違和感や、長引くしびれといった後遺症につながる最大の原因と考えられています。構造的な問題を解決する素晴らしい術式であるからこそ、執刀医の「見えない部分を正確に把握する技術」が問われるのです。

第3章 裏ハムラ法の後遺症の症状について

では、万が一後遺症が起きてしまった場合、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか。ここでは、裏ハムラ法の手術後に報告されることのある代表的な3つの症状について、その原因と経過を詳しく解説します。

3-1. 知覚異常・しびれ

3-1. 知覚異常・しびれ

裏ハムラ法の手術後、「頬のあたりがピリピリする」「触っても感覚が鈍い」といった知覚異常やしびれを感じることがあります。

これは、脂肪を固定する骨膜のすぐ近くに、頬や上唇の感覚を司る眼窩下神経という太い神経が通っているためです。手術中にこの神経の近くを剥離したり、脂肪を固定する際に神経周辺の組織が引っ張られたり、術後の腫れによって神経が圧迫されたりすることで生じます。

大半のケースにおいて、これらのしびれや感覚の鈍さは一時的なものです。例えば、40代女性でクマの改善を主訴に裏ハムラ法を受けられたケースでは、術後1ヶ月ほど頬から小鼻にかけての感覚の鈍さを自覚されていました。しかし、神経を直接切断しているわけではないため、時間の経過とともに腫れが引き、術後3ヶ月目の定期検診の時点では違和感は完全に消失し、通常の感覚に戻っていました。

一般的な傾向として、数週間から数ヶ月かけてビタミンB12製剤などを服用しながら経過を見ることで、自然に回復していくことがほとんどです。ただし、半年以上経過しても全く改善の兆しがない場合は、神経が強く圧迫されたまま固定されている可能性もゼロではないため、主治医への相談が必要です。

3-2. 下眼瞼外反(あっかんべー状態)

下眼瞼外反(かがんけんがいはん)とは、下まぶたが外側にめくれてしまい、赤い結膜が見えやすくなる、いわゆる「あっかんべー」のような状態になることです。重度になると目が完全に閉じられず、ドライアイや結膜炎を引き起こす原因となります。

この症状は、皮膚側を切開する、表ハムラ法で起こりやすい後遺症として知られていますが、まぶたの裏を切る裏ハムラ法でも稀に発生することがあります。

原因としては、手術部位の内部で過度な瘢痕が生じ、組織が引きつれるように癒着してしまうことが挙げられます。また、移動させた脂肪を骨膜に固定する際の引っ張る力が強すぎると、下まぶた全体が下方に引っぱられてしまい、外反や「目が下に引っ張られるような強い違和感」が生じることがあります。

多くの患者さんで、術後1〜2週間のむくみが強い時期に軽い外反気味になることがありますが、これは腫れが引くにつれて自然とまぶたが元の位置に戻る傾向があります。マッサージなどの保存的治療で改善を待つのが一般的ですが、癒着が強固な場合は修正手術が必要になることもあります。

3-3. 複視(物が二重に見える)

裏ハムラ法における後遺症の中で、最も注意すべき緊急性の高い症状が「複視(ふくし)」です。これは、片目で見ると一つに見えるのに、両目で見ると物が二重に重なって見える状態を指します。

目の下には、眼球を動かすための下斜筋という筋肉が走っており、眼窩脂肪はこの筋肉を挟み込むように存在しています。裏ハムラ法で脂肪を引っ張り出して移動させる際、誤ってこの下斜筋を傷つけてしまったり、固定用の糸に筋肉を一緒に巻き込んで縫い付けてしまったりすると、眼球の動きが制限され、視線が合わなくなることで複視が発生します。

術後の麻酔の影響で一時的にピントが合いにくいことはありますが、もし特定の方向(特に上や斜め)を見た時に、物がはっきりと二重に見えるという症状が術後数日経っても続く場合は注意が必要です。筋肉が糸で強く縛られている状態を放置すると、筋肉そのものがダメージを受けて回復が困難になる恐れがあります。このような症状が見られた場合は、様子を見ずに速やかに手術を受けたクリニック、あるいは眼科・形成外科の専門医の診察を受けることが強く推奨されます。

第4章 裏ハムラ法の失敗事例紹介

裏ハムラ法は適応を見極め、適切な技術で行われれば非常に満足度の高い術式ですが、残念ながら他院での手術後に修正を希望して来院される患者さんもいらっしゃいます。ここでは、実際に報告されることの多い失敗事例とその原因について解説します。

4-1. 凹凸(しこり)・左右差

手術が完了して腫れが引いた後、目の下に不自然な段差が残ってしまったり、触ると「しこり」のような硬い塊を感じたりするケースがあります。また、右目と左目でふくらみの取れ具合に差があり、左右非対称になってしまう失敗も少なくありません。

これらの原因の多くは、移動させた脂肪の配置バランスが均等でなかったり、固定する位置が不適切であったりすることに起因します。狭い視界の中で脂肪を平らに敷き詰めるのは非常に難しく、一部に脂肪が固まって固定されると、それが外から見た時に「しこり」や「凹凸」として現れてしまいます。

また、より完璧な仕上がりを目指して、裏ハムラ法と同時に太ももなどから採取した脂肪を注入することを併用するケースがあります。しかし、注入する脂肪の量が多すぎたり、皮膚の浅い層に注入してしまったりすると、脂肪が定着しすぎて不自然に膨らんだり、皮膚が透けて青白く見える現象が起きることがあります。 多くの患者さんにおいて、術後数ヶ月経っても消えない段差は心理的な負担となりやすいため、過度な脂肪注入の併用には慎重な判断が求められます。

4-2. クマの再発・たるみの残存

4-2. クマの再発・たるみの残存

「せっかく痛い思いをして手術したのに、クマが消えていない」「ふくらみは無くなったけれど、逆にシワやたるみが目立つようになった」という失敗事例も多く耳にします。

クマが残って見える原因としては、元々の骨格のくぼみが深く、引き出した眼窩脂肪の量だけでは凹みを埋めきれなかった(移動量が足りなかった)ことが考えられます。 一方で「たるみやシワの残存」は、手術が適応かどうかを見誤った際に起こりやすい現象です。風船の空気を抜くと表面のゴムがシワシワになるのと同じで、目の下のふくらみを下方に移動させると、これまで引き伸ばされていた表面の皮膚が余ってしまいます。皮膚の弾力が低下している年代の方の場合、この余った皮膚がそのまま「ちりめんジワ」や「たるみ」として残ってしまうのです。

例えば、50代後半で皮膚のたるみが強い患者さんが、皮膚を切らないことに魅力を感じて裏ハムラ法のみを希望されるケースがあります。しかし、このような状態の方に無理に裏ハムラ法を行うと、術後にシワが深く刻まれてかえって老けた印象を与えてしまう傾向があります。

第5章 裏ハムラ法の効果の持続性と再発リスク

「手術をすれば、一生この綺麗な目元を維持できますか?」というご質問は、日々のカウンセリングで非常に多くいただきます。決して安くない費用とダウンタイムを伴うからこそ、10年後、20年後の持続性について正しく理解しておくことが大切です。

5-1. 結論:裏ハムラ法の10年後はどうなる?

結論から言うと、裏ハムラ法によって移動し、骨膜に癒着して定着したご自身の脂肪は、基本的にはその場に留まり続けます。ヒアルロン酸のように数年で体内に吸収されて無くなってしまうことはありません。そのため、脂肪をただ切り捨てる「脱脂」に比べて、裏ハムラ法は将来的な目の下のくぼみを防ぐ長期的な効果に優れています。 専門的な視点からお伝えすると、裏ハムラ法は「10年後に起こりうる目の下の組織減少・くぼみをあらかじめ予防する先行投資」と言えるでしょう。

しかし、ここで忘れてはならないのが「加齢による骨格や皮膚の変化」です。 定着した脂肪は一生ものですが、私たちの顔の骨(眼窩)は加齢とともに少しずつ萎縮し、広がっていく傾向があります。同時に、皮膚のコラーゲンも減少し、ハリが失われていきます。そのため、術後10年が経過した頃には、周囲の骨格の萎縮や皮膚のたるみによって、新たな段差や影クマが現れる可能性は十分にあります。つまり、「脂肪の再配置自体は後戻りしないが、周囲の組織が老化するため、完全に老化を止める魔法ではない」というのが医学的な事実です。

5-2. 10年後も美しい目元を維持するためのアフターケア戦略

5-2. 10年後も美しい目元を維持するためのアフターケア戦略

裏ハムラ法で作った若々しい目元を10年後も維持するためには、術後の日々の過ごし方と、適切なメンテナンスが鍵となります。

摩擦を避けるアイケア 目元を強く擦る癖は、色素沈着(茶クマ)の原因になるだけでなく、皮膚を伸ばしてたるみを加速させます。クレンジングや洗顔の際は、薬指を使って優しく触れることを習慣づけましょう。

徹底したUV対策 紫外線は皮膚のコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワ・たるみの最大の敵となります。季節を問わず日焼け止めを塗り、サングラスや日傘を活用する対策が有効です。

数年おきの計画的なメンテナンス 骨格の萎縮や皮膚のたるみが気になり始めたら、ヒアルロン酸やエラスチンを促す注入治療を少量だけ行ったり、高周波(RF)やハイフ(HIFU)などのレーザー治療で皮膚の引き締めを行ったりする併用プランが効果的です。

大掛かりな手術は裏ハムラ法で終わらせ、その後は切らないマイルドな治療で微調整をしていくのが、長期的に美しい目元を保つための賢い治療法といえます。

第6章 裏ハムラ法で後悔しないために

ここまでの解説を踏まえ、最終的に「自分が裏ハムラ法を受けるべきか」を正しく判断するための基準と、後悔しないために医師に質問すべき内容をお伝えします。

6-1. 裏ハムラ法が向いている人

裏ハムラ法は素晴らしい術式ですが、万能ではありません。ご自身の目元が以下の条件に当てはまるか、セルフチェックをしてみてください。

【裏ハムラ法が向いている方の特徴】

  • 目の下に明らかなふくらみ(眼窩脂肪の突出)がある
  • ふくらみのすぐ下に、ハの字の凹み(ティアトラフ)がある
  • 皮膚を指で軽くつまんで離した時、すぐに元に戻る(皮膚の弾力・ハリがある)
  • 皮膚表面に傷跡を絶対に残したくない

逆に、向いていないのは「皮膚の余りが強い方」や「脂肪の突出が極端に少ない方」です。 実際に、クマ治療のカウンセリングに訪れた際、「自分は絶対に皮膚を切らない裏ハムラ法が良い」と希望していたものの、診察の結果「表ハムラ法」や「脱脂+脂肪注入」などへの術式変更を打診されるケースが頻繁に起こります。これは、医師が患者さんの皮膚の余り具合や骨格の深さを客観的に判断し、術後にシワシワになって後悔するのを防ぐためのポジティブな提案です。ご自身の希望と医学的な適応が異なる場合、なぜその術式が向いていないのかを論理的に説明してくれる医師を選ぶことが重要です。

6-2. カウンセリングで医師に聞くべき3つの質問

6-2. カウンセリングで医師に聞くべき3つの質問

インターネットの口コミや手術料金の安さだけでクリニックを決めるのはリスクが伴います。後遺症を回避し、信頼できる医師を見極めるために、カウンセリングでは以下の3つの質問を投げかけてみてください。

  1. 「手術中の神経損傷や複視のリスクに対して、どのような対策・工夫をされていますか?」 →「絶対に大丈夫です」と安請け合いするのではなく、解剖学的なリスクを認めた上で、「視野を確保するための特殊な器具を使っている」「局所麻酔だけでなく意識状態をコントロールして筋肉の動きを確認している」など、具体的な安全対策を答えられるかを確認しましょう。
  2. 「万が一、外反(あっかんべー状態)や癒着が起きた場合、どのような保証やアフターケアがありますか?」 → 手術の成功率だけでなく、トラブルが起きた際のリカバリー体制(再診料や修正手術の有無など)が明確に整っているクリニックは信頼性が高いと言えます。
  3. 「私の目元の状態だと、術後10年経った時にシワやたるみはどのように変化すると予測されますか?」 →目先の美しさだけでなく、皮膚の弾力や将来の加齢変化まで見据えた上で、長期的な視点でのアドバイスをくれる医師であるかを見極めましょう。

これらの質問に対し、専門用語を並べ立てるのではなく、患者さんが理解できる言葉で丁寧に、かつ誠実に答えてくれる医師こそが、あなたの大切な顔を任せるにふさわしいパートナーとなるでしょう。

第7章 裏ハムラ法の手術前後によくある疑問

手術を検討するにあたり、「日常生活にどの程度支障が出るのか」「痛みに耐えられるか」といった不安はつきものです。ここでは、カウンセリングで患者さんから特によくご質問いただく内容にお答えします。

7-1. 仕事復帰や外出はいつから可能ですか?

ダウンタイムには個人差がありますが、大きな腫れのピークは術後2〜3日目です。その後、1〜2週間かけて徐々に引いていきます。 まぶたの裏側を切開するため、顔の表面に傷や糸がつくことはなく、手術の翌日から目元を含めたフルメイクが可能になるため、内出血等を隠すことができます。実際の診療現場でも、金曜日に手術を受け、週末は自宅で安静に過ごし、月曜日からメイクや伊達メガネでカバーしてデスクワークに復帰される患者さんが多く見受けられます。ただし、接客業や人前に出るお仕事の場合は、念のため1週間程度のお休みを確保しておくと安心です。

7-2. 手術中や術後の痛みはどのくらいですか?

手術中は局所麻酔に加えて、眠ったような状態になる静脈麻酔を併用することが一般的です。そのため、「気づいたら手術が終わっていた」「手術中の痛みはほとんど感じなかった」とおっしゃる方が大半を占めます。 呼吸状態や体動があり、オペが進まない判断した場合は静脈麻酔を調整して進める可能性もございます。術後は麻酔が切れると、目の下から頬にかけてズキズキとした痛みや、筋肉痛のような重だるさを感じることがあります。しかし、これらは処方される内服の痛み止め(鎮痛剤)で十分にコントロールできる程度の痛みが一般的です。痛みのピークは術後数日間で、1週間ほど経過すると触れた時に少し痛む程度に落ち着いていきます。当院では、施術を受けられた方に痛み止めをお渡ししております。

 

7-3. 目を触る手術ですが、視力に影響はありませんか?

裏ハムラ法は眼球そのものに触れる手術ではありません。眼球を包んでいるクッションの役割を果たす「眼窩脂肪」を移動させる手術であるため、視力そのものが低下したり、失明したりする直接的なリスクは極めて低いです。 ただし、手術中は眼球を保護するために軟膏を使用したり、術後は結膜(白目)にむくみが出たりするため、一時的に「目がかすむ」「視界がぼやける」と感じることがあります。多くの場合、これらは数日から1週間程度で自然に解消され、元の見え方に戻ります。

第8章 後遺症を恐れすぎず、理想の目元へ

ここまで、裏ハムラ法(経結膜眼窩脂肪移動術)の仕組みやメリット、そして気になる後遺症のリスクや失敗事例について詳しく解説してきました。 「神経損傷」や「複視」「しこり」といった言葉を目にすると、どうしても手術が怖くなってしまうかもしれません。しかし、今回お伝えしたかったのは「裏ハムラ法は危険な手術である」ということではありません。解剖学を熟知し、適切な技術を持った医師が執刀すれば、目の下のふくらみとくぼみを同時に解消し、長期的に若々しい目元を保つことができる非常に優れた術式です。

後遺症のリスクを最小限に抑えるためには、信頼できる医師選びはもちろんのこと、患者さんご自身の術後の過ごし方も非常に重要になってきます。 術後1〜2週間の腫れや内出血が出やすい期間は、以下の点に気をつけてお過ごしください。

  • 目元をしっかりアイシングする(冷やす)
  • 寝る時は枕を高くし、頭に血が上らないようにする
  • 血行を促進してしまう激しい運動、長時間の入浴、過度な飲酒は控える
  • 重いものを持ったり、いきんだりして顔に圧力をかけない

術後のデリケートな時期に安静に過ごすことこそが、思わぬ出血や強い腫れを防ぎ、結果的に後遺症リスクを下げる一番の近道となります。

目の下のクマやふくらみは、メイクやスキンケアだけで根本的に改善するのは難しく、年齢とともに悩みが深くなりやすい部位です。「疲れている?」「寝不足?」と聞かれるストレスから解放され、鏡を見るのが楽しみになるような理想の目元を手に入れるための一歩として、まずは専門医のカウンセリングでご自身の適応を確かめてみてはいかがでしょうか。 あなたの目元の状態に最も適した、安全で確実な治療プランが見つかるはずです。

記事監修者:鈴木大路

記事監修者プロフィール院長鈴木 大路

経歴

  • 名古屋大学医学部卒業
  • 豊田厚生病院
  • 大手美容外科 岐阜院院長
  • 大手美容外科 金沢院院長
  • 大手美容外科 浜松院院長
  • 大手美容外科 二重埋没法指導医

資格

  • ボトックスビスタ® 認定資格医
  • ジュビダームビスタ® 認定資格医
  • 美容外科学会(JSAS) 正会員

Address

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